
プロジェクト”プラナスミューメ”
「梅の文化史の次の1ページへ」
私たちのアイデンティティコレクションと位置付けている"Prunus Mume"(プラナスミューメ)コレクションは、梅をクリエイションの根幹に置いた作品。
梅ははるか昔から日本人に愛されてきた花ですが、それが故に、良く言えば伝統的、悪く言うと古臭い印象を持つものになっているかもしれません。
Mr. & Mrs. Abeでは、梅という花の持つ豊かな文化的背景を解釈し現代化、そして未来を作っていく活動をプロジェクト”プラナスミューメ”と呼んでいます。
Culture Of Ume
花言葉を見る
梅の花の花言葉は「上品」「高潔」「忍耐」「忠実」で、
寒さ厳しい2月に咲く梅の姿に由来しています。
特に「忍耐」は寒風の中で咲くことから、
また「忠実」は菅原道真公の梅の木が飛んできた伝説に基づいています。
西洋では「約束を守る」「忠実」「美と長寿」という意味が込められています。
飛梅伝説
「飛梅伝説」とは、平安時代の学問の神様・菅原道真公にまつわる感動的な伝説です。道真公は、藤原氏との権力闘争に敗れ、延喜元年(901年)に都・京都から遠く太宰府へ左遷されることとなりました。出発前、日頃から愛でてきた自宅の庭の梅に別れを告げるため、彼は次のような和歌を詠みました。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
この歌には、「春風が吹いたら、その香りを梅の花に託しておくれ。たとえ主人(道真公)がいなくても、春の訪れを忘れてはならない」という強い想いが込められています。伝説によれば、道真公の真摯な心に応えるかのように、梅の木は一夜にして京都から太宰府へと“飛び”移り、太宰府天満宮の境内に根を下ろしました。以降、この「飛梅」は毎年、早春に美しく咲き誇り、地域の人々に希望と新たな始まりの象徴として愛されています。
この伝説は、逆境の中でも自身のルーツや美しさを忘れずに咲き続ける梅の魅力を物語っています。
梅のイメージの現代化
Mr. & Mrs. Abeが提唱する「梅のモダナイゼーション」とは、単に伝統を再解釈するだけでも、流行を追うだけでもありません。
伝統の梅が持つ忍耐や再生といった美徳に、新たな視点―まだ取り入れられていない概念や斬新な組み合わせ、表現手法―を融合させることで、梅の多面的な魅力に新たな側面を追加し、未来の文化を創造する試みです。
梅を知る
梅が持つ多面的な魅力

上品な美しさ
梅はその上品で優美な見た目の美しさで人を魅了し続けてきました。
桜のように一つの枝に多くの花をつけるのではなく、静かに気品高く花を咲かせる姿は、梅の大きな魅力の一つです。
towards spring/YOKO FUNAHASHI
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
入賞作品
春を予感させる優美な香り
梅は見た目だけでなく、その香りを楽しむ花でもあります。
平安貴族たちは、特にこの香りを楽しむことを風流と感じてきました。
あのはるをおもう/佐藤結希乃
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
プラナスミューメ特別賞受賞作品
春を真っ先に告げる、吉兆の花
冬の終わりに、真っ先に咲き
私達に春の訪れを教えてくれる梅の花は、
縁起の良い吉兆の花であり、幸せの訪れを知らせてくれるシンボルでもあります。
shidare/出口義子
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
プラナスミューメ特別賞受賞作品
折りたたみ可能なコンテンツ

文化芸術の象徴
文化芸術の神様でもある天神さまの愛した梅の花を、Mr. & Mrs. Abeでは文化芸術のアイコンとして捉えています。
樹上の主役/ナンノ ソノ
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
大賞受賞作品
作品講評
樹の上に静かに腰掛ける少女。白い樹肌の樹の上部は波紋のようにデフォルメされており、いわゆる「梅の木」らしくはない不思議な印象です。一見すると作品の中に梅を直接的に描写するものはありません。梅の花を桜や桃の花と見分ける特徴、その一つに花の根元に軸がなく、枝にペタっと花がついているというものがあります。そのような梅の咲き方は、枝に腰掛ける少女の姿に重ね合わさるようです。静かに佇んでいるだけでありながらも、目を引く存在感を持つ彼女は、タイトルの通り樹上の主役です。彼女の衣服も樹肌と同系色であり、梅の木の上で自然と溶け込むかのようです。しかし、よく見ると、彼女の左手の人差し指には梅の花のリングが添えられており、シンプルで飾り気のない世界観の中で異彩を放っています。この小さなディテールが、作品に深みと個性を与えています。遊び心とともに、梅の魅力を見事に表現した本作は、コンテストの主役となる大賞にふさわしい作品です。
学問の神様が愛した花
学問の神様として知られる菅原道真(天神さま)が愛した花である梅は、合格祈願の場面でもよく登場しています。
私達/Saito.
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
入賞作品
花も実もある、才色兼備の象徴
梅は花だけでなく、実も非常に重宝されてきました。梅干しは保存の効く健康食品として非常に価値の高いものでした。
このことから、梅は見た目だけでなく実用性を兼ね備えた才色兼備の花とも言われています。
梅酒/大松雅士
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
プラナスミューメ特別賞受賞作品
厳しい冬を超えて咲く、忍耐の象徴
梅は冬のまだ寒い時期に咲く花であり、その慎ましやかながらも忍耐強い姿は武士の精神に重ねられることもあります。
花と鏡(春の兆し)/冬乃太陽
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
入賞作品
Ume - 梅 -
知れば知るほど好きになる「梅」の世界
私達のジュエリーをきっかけに、梅を知り、その背景にある文化や考え方を楽しんでいただけるよう、これからも努力を続けてまいります。
また、梅のイメージの「モダナイゼーション」にも取り組んでおります。
これは梅のイメージを「進化させる」という挑戦でもあり、コレクションおよびメゾンの活動全体に通じる根本的な軸となっています。
作品の背景については、こちらのインタビュー記事もぜひご覧ください。
Creator’s Talk 特別編 解説:プラナスミューメ コレクション
Creator's Talk "故郷の梅とジュエリーへの思い"
Creator's Talk特別編① ”Mr. & Mrs. Abe”が”梅(プラナスミューメ)”を通して目指す未来
Mr. & Mrs. Abe
Prunus Mume Collection
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