大賞

 

私たちに流れる血/ゆきめ

私たちに流れる血/ゆきめ

 

 

第二回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize

大賞受賞作品

 

作品講評

本作品は、梅というモチーフに対して新しい視点から挑戦しており、その発想、構想、そして具現化する描写力が極めて高く、第二回の大賞にふさわしいものと評価しました。

作品全体を通じて、『梅』は単なる植物や、一般的な花言葉や象徴性からの着想で終わることなく、作者自身の深い思索を経て、独自の視点から再解釈されています。

作者は、梅を日本人の精神や文化にとって、まるで血液のように内面から流れる根源的な存在として捉え、そこに新たなコンセプトを見出しています。観る者に新たな発見を促すこのアプローチは、まさに本コンテストの目指す「梅のモダナイゼーション」という方向性と一致しています。

また、手首から突き抜けるように咲く梅の花の描写は、ともすればグロテスクな印象を抱かせるかもしれません。しかしその背後には確固たる生命力が息づいており、従来のイメージとは異なる大胆さが感じられます。

一見、リストカットを想起させる構図に映るものの、混乱や自己破壊的な印象は一切なく、むしろ芯の通った力強さが際立っている点も大変興味深い点と言えるでしょう。

全体として、この作品はシンプルな美しさだけでなく、深い意味や強い意志を感じさせる、大変素晴らしい作品と言え、今回の大賞に選出いたしました。


 

その他の受賞作品

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ブランドの問いと哲学

 

 

"Be the Origin of Meaning."

この言葉は、Mr. & Mrs. Abe の根幹を成し、創造の道しるべ。

 

「意味」がブランドや価格、他社や海外の価値基準に委ねられていないか?

 

私たちが提案するのは、こうした画一的で外部中心の評価軸から脱却し、

「個人の記憶や感情、精神的な共鳴」といった内面に根ざした新しいラグジュアリーのパラダイム。

これは、単に「高価であること」「誰かにすごいと思われること」ではなく、
“なぜそのジュエリーを選び、身に纏うのか”という個人的な理由や物語に価値を置くということ。

 

Mr. & Mrs. Abe が象徴として選んだのは、「梅」という一輪の花です。

その「たった一輪の花」に徹底的に没入することで、フォーカスを絞りコンセプトに集中しています。

この一点への集中は、ジュエリーにおけるラグジュアリーの再構築そのもの。
多くの選択肢や華やかな装飾ではなく、意味の深さと密度を追求するのです。

 

これにより、「ラグジュアリー=社会的承認」という古い枠組みを静かに解体し、
「ラグジュアリー=個人の真実」へと書き換えています

 

私たちの作品は批評的思考の使者であり、思考と記憶、文化的対話を促すために作られています。

 

問いかける――「永続とは何か?」「美を所有するとはどういうことか?」

 

Mr. & Mrs. Abe は単なるブランドではなく、身にまとう哲学である。

地位ではなく文化を、模倣ではなく意味を求める人のために。

 

 

他人が定めた序列を追う必要はない。

 

 


 

ジュエリーは単に光を反射する金属ではありません。
それは何を信じ、何を選び取るかという態度の表明です。

Mr. & Mrs. Abe のジュエリーを身につけることは、
問いを生きることを選ぶこと。
問いかけ、挑み、記憶するシンボルと共に歩むことです。

私たちは広告費で「第一想起」を目指すメゾンではありません。
美しさや価値は刷り込まれるものではなく、内から目覚めるものだと信じています。

文化的プレゼンスは数字ではなく記憶に宿ります。

あなたは意味の消費者ではなく、意味の起点です。
価格の序列やブランドのエコーに惑わされず、
あなた自身の問いの深さと感じた確かさを信じてください。

Be the Origin of Meaning.

 

 

 

Mr. & Mrs. Abe