審査員特別賞

 

梅の実の妖精たち/ヤツバ

梅の実の妖精たち/ヤツバ

 

 

 

第二回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize

審査員特別賞受賞作品

 

審査員コメント

本作は、梅の実をテーマにしながらも、その捉え方が極めて自由で、瑞々しい想像力に満ちている点が魅力的です。画面には、小さな妖精たちが生き生きと働き、遊び、そしてくつろぐ姿が描かれています。まるで自然の中に息づく小さな社会のように、個々のキャラクターがそれぞれの物語を秘めている。その姿は見る者の想像力を刺激し、画面の外にまで広がる世界観を感じさせます。  

特に印象的なのは、作品全体を包み込む淡い夕焼けのような色調でしょう。昼と夜の狭間のような柔らかな光は、妖精たちの世界を現実と幻想の間に位置づけるかのようであり、夢のような時間を感じさせます。この「移ろいの時間」の表現は、春を迎える梅の木の姿とも響き合い、どこか郷愁を誘う効果を持ちます。

本作に登場する妖精たちは、梅という植物の中で紡がれる無数の営みや、季節の循環を象徴しているようであり、彼らが働き、遊ぶ姿は、自然の営みの一部としての「生」の喜びを伝え、まるで梅の実が人々の暮らしに恵みをもたらすように、温かな物語を紡いでいるように感じました。  

全体を貫くのは、「梅」というモチーフを通して、生命の営みを愛おしく、そしてどこか懐かしく描こうとする姿勢です。ファンタジックでありながらも、どこか現実の感触を残す本作品は、梅というテーマに対する独自の視点と、豊かな感受性を持った優れた作品と言えるでしょう。

 

その他の受賞作品

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ブランドの問いと哲学

 

 

"Be the Origin of Meaning."

この言葉は、Mr. & Mrs. Abe の根幹を成し、創造の道しるべ。

 

「意味」がブランドや価格、他社や海外の価値基準に委ねられていないか?

 

私たちが提案するのは、こうした画一的で外部中心の評価軸から脱却し、

「個人の記憶や感情、精神的な共鳴」といった内面に根ざした新しいラグジュアリーのパラダイム。

これは、単に「高価であること」「誰かにすごいと思われること」ではなく、
“なぜそのジュエリーを選び、身に纏うのか”という個人的な理由や物語に価値を置くということ。

 

Mr. & Mrs. Abe が象徴として選んだのは、「梅」という一輪の花です。

その「たった一輪の花」に徹底的に没入することで、フォーカスを絞りコンセプトに集中しています。

この一点への集中は、ジュエリーにおけるラグジュアリーの再構築そのもの。
多くの選択肢や華やかな装飾ではなく、意味の深さと密度を追求するのです。

 

これにより、「ラグジュアリー=社会的承認」という古い枠組みを静かに解体し、
「ラグジュアリー=個人の真実」へと書き換えています

 

私たちの作品は批評的思考の使者であり、思考と記憶、文化的対話を促すために作られています。

 

問いかける――「永続とは何か?」「美を所有するとはどういうことか?」

 

Mr. & Mrs. Abe は単なるブランドではなく、身にまとう哲学である。

地位ではなく文化を、模倣ではなく意味を求める人のために。

 

 

他人が定めた序列を追う必要はない。

 

 


 

ジュエリーは単に光を反射する金属ではありません。
それは何を信じ、何を選び取るかという態度の表明です。

Mr. & Mrs. Abe のジュエリーを身につけることは、
問いを生きることを選ぶこと。
問いかけ、挑み、記憶するシンボルと共に歩むことです。

私たちは広告費で「第一想起」を目指すメゾンではありません。
美しさや価値は刷り込まれるものではなく、内から目覚めるものだと信じています。

文化的プレゼンスは数字ではなく記憶に宿ります。

あなたは意味の消費者ではなく、意味の起点です。
価格の序列やブランドのエコーに惑わされず、
あなた自身の問いの深さと感じた確かさを信じてください。

Be the Origin of Meaning.

 

 

 

Mr. & Mrs. Abe