大賞
樹上の主役/ナンノ ソノ
第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize
大賞受賞作品
作品講評
樹の上に静かに腰掛ける少女。白い樹肌の樹の上部は波紋のようにデフォルメされており、いわゆる「梅の木」らしくはない不思議な印象です。一見すると作品の中に梅を直接的に描写するものはありません。梅の花を桜や桃の花と見分ける特徴、その一つに花の根元に軸がなく、枝にペタっと花がついているというものがあります。そのような梅の咲き方は、枝に腰掛ける少女の姿に重ね合わさるようです。静かに佇んでいるだけでありながらも、目を引く存在感を持つ彼女は、タイトルの通り樹上の主役です。彼女の衣服も樹肌と同系色であり、梅の木の上で自然と溶け込むかのようです。しかし、よく見ると、彼女の左手の人差し指には梅の花のリングが添えられており、シンプルで飾り気のない世界観の中で異彩を放っています。この小さなディテールが、作品に深みと個性を与えています。遊び心とともに、梅の魅力を見事に表現した本作は、コンテストの主役となる大賞にふさわしい作品です。
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