大賞

 

樹上の主役/ナンノ ソノ

 樹上の主役/ナンノ ソノ

 

 

第一回 Mr. & Mrs. Abe Arts & Culture Prize

大賞受賞作品

 

作品講評

樹の上に静かに腰掛ける少女。白い樹肌の樹の上部は波紋のようにデフォルメされており、いわゆる「梅の木」らしくはない不思議な印象です。一見すると作品の中に梅を直接的に描写するものはありません。梅の花を桜や桃の花と見分ける特徴、その一つに花の根元に軸がなく、枝にペタっと花がついているというものがあります。そのような梅の咲き方は、枝に腰掛ける少女の姿に重ね合わさるようです。静かに佇んでいるだけでありながらも、目を引く存在感を持つ彼女は、タイトルの通り樹上の主役です。彼女の衣服も樹肌と同系色であり、梅の木の上で自然と溶け込むかのようです。しかし、よく見ると、彼女の左手の人差し指には梅の花のリングが添えられており、シンプルで飾り気のない世界観の中で異彩を放っています。この小さなディテールが、作品に深みと個性を与えています。遊び心とともに、梅の魅力を見事に表現した本作は、コンテストの主役となる大賞にふさわしい作品です。

 

その他の受賞作品

Our Story

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ブランドの問いと哲学

 

 

"Be the Origin of Meaning."

この言葉は、Mr. & Mrs. Abe の根幹を成し、創造の道しるべ。

 

「意味」がブランドや価格、他社や海外の価値基準に委ねられていないか?

 

私たちが提案するのは、こうした画一的で外部中心の評価軸から脱却し、

「個人の記憶や感情、精神的な共鳴」といった内面に根ざした新しいラグジュアリーのパラダイム。

これは、単に「高価であること」「誰かにすごいと思われること」ではなく、
“なぜそのジュエリーを選び、身に纏うのか”という個人的な理由や物語に価値を置くということ。

 

Mr. & Mrs. Abe が象徴として選んだのは、「梅」という一輪の花です。

その「たった一輪の花」に徹底的に没入することで、フォーカスを絞りコンセプトに集中しています。

この一点への集中は、ジュエリーにおけるラグジュアリーの再構築そのもの。
多くの選択肢や華やかな装飾ではなく、意味の深さと密度を追求するのです。

 

これにより、「ラグジュアリー=社会的承認」という古い枠組みを静かに解体し、
「ラグジュアリー=個人の真実」へと書き換えています

 

私たちの作品は批評的思考の使者であり、思考と記憶、文化的対話を促すために作られています。

 

問いかける――「永続とは何か?」「美を所有するとはどういうことか?」

 

Mr. & Mrs. Abe は単なるブランドではなく、身にまとう哲学である。

地位ではなく文化を、模倣ではなく意味を求める人のために。

 

 

他人が定めた序列を追う必要はない。

 

 


 

ジュエリーは単に光を反射する金属ではありません。
それは何を信じ、何を選び取るかという態度の表明です。

Mr. & Mrs. Abe のジュエリーを身につけることは、
問いを生きることを選ぶこと。
問いかけ、挑み、記憶するシンボルと共に歩むことです。

私たちは広告費で「第一想起」を目指すメゾンではありません。
美しさや価値は刷り込まれるものではなく、内から目覚めるものだと信じています。

文化的プレゼンスは数字ではなく記憶に宿ります。

あなたは意味の消費者ではなく、意味の起点です。
価格の序列やブランドのエコーに惑わされず、
あなた自身の問いの深さと感じた確かさを信じてください。

Be the Origin of Meaning.

 

 

 

Mr. & Mrs. Abe